かつてないほどモノが溢れています。モノだけではありません。
カタチをもたない情報も溢れかえっています。
個性の時代は、多様な価値観や美意識を生み出しました。
選択肢が多いことを、幸せだと感じる人もいます。
どうやら、私たちの日常は、モノと情報の洪水で覆い尽くされてしまったようです。
もちろん、個性は大切です。
それが新鮮であること、特別であること。
デザインされたものにオリジナリティがなければ、誰も見向きはしません。
けれども、その反面で、個性化したモノと情報は、何が必要であるのか、
どっちが良いのかといった判断を鈍らせています。
多様であることが平板化を招いているのです。
百人百色の時代だからこそ、普遍的な美しさを持つデザイン、
気持ちの良いデザインが求められているのはないでしょうか。
たとえば、定番とかパーマネント・コレクションと呼ばれる製品の魅力は、
それが「既に評価されたもの」であるという付加価値ではなく、
常に新しい価値や意味を「いま・ここ」において再生産をする媒体=メディアであるからです。
デザインは、単に奇抜であったり、目立ったりすれば良いというわけではありません。
それは視覚的なグラフィック・デザインの領域においても同様です。
よく考えられたグラフィック・デザインは、ストレスが少なく気持ちが良いものです。
情報が整理されることで理解しやすくなり、
クライアントと受容者とのコミュニケーションは円滑になります。
デザインは社会に奉仕するものであるべきだ、という考えに私たちは賛同しています。
良いデザインは日常生活のなかに悦びや驚きを与え、
生活にアクセントをもたらし、それに出会った人の気持ちを幸せにする。
t(total)m(marketing)c(communication)という社名には、
そんな私たちの大切な思いがこめられています。